元来、琉球畳で使われる七島イ草(しっとういぐさ)は、その茎の断面が三角形であることから「三角イ」とも言われています。
その茎の断面の実物を見れば誰もがうなずくことでしょう。

従来は沖縄(琉球)のみで栽培され、鹿児島や大分へ渡ってきた七島イ草は昭和30年代にピークを迎え、それ以降から現在まで生産は減少、今では大分県に約10件の生産農家があるだけの希少価値の高い作物で、大分県全体の生産量ですら畳にして約4,000枚程しかとれなくなりました。



七島イは5月頃に田に植え付け、7~8月に刈取りをします。
約80日ほどでぐんぐん成長し、刈取り時には、170~180センチぐらいまで伸びていきます。
苗が不規則なため機械での植え付けは難しく、手作業で植えていきます。

色や太さにムラが出るのを防ぐために高さをそろえる梢(うら)切り作業を行ないます。
その後どんどん伸びる七島イが風などで倒れないように、杭打ちを行い、それに網をかけていきます。
この網掛け作業は、七島イの成長に合わせて少しづつ網も上げていきます。

七島イの刈取りは、日の出前、日没後に行なわれます。
七島イ草の生え方は密集しているために機会での刈り取りができず、手で刈り取りをしなければなりません。刈り取りの様子は自分の背丈より高くなったものを、かがんで根本から刈り取り、束ね、運びます。
これは現在ある農作業の中でもとても大変な重労働です。 刈り取ったばかりの七島イは、青々として、キラキラしています。

刈り取った七島イは、選別されて分割機で2本に割いていきます。
七島イそのままでは、太すぎて畳表にできないということと、2本に割くことでこの後の乾燥がしやすくなります。
そしてこの分割作業で割かれた不整形な断面が琉球畳の特長とも言える風合いを生み出します。

割いた七島イは、乾燥していきます。
約8時間から10時間ほどかけて乾かしていきます。
乾燥した後は根元についている「はかま」を取り除きます。


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